論文発表「シンガポールで出会ったミュージック・ケアで自信のない母だった私が変われた事例」

今回、自分自身とミュージック・ケアにについて報告する。
以前の私は、不安な外国生活の中での慣れない育児、産後の心身のバランスが不安定な中、私は子どもや夫、周りのママ友だちや社会に対して虚無感を感じる毎日でした。そんな時にミュージック・ケアに出会い、継続的にセッションに参加する事で母子の心身安定が見ら。また、ミュージック・ケアをライフワークとする人生の目標が見つかったので考察を加え報告する。

[目的]

　習慣的な外出の機会や、集団での子育ての場を体感することで、自分の生活や子供との向き合い方が楽しくなることを目的とした。

[対象者]

私33歳、子ども3歳女児と0歳男児。シンガポール在住。本来の私は社交的で音楽好きだったが、育児疲れと英語が話せないことにより内向的になった。夫は出張でほとんど不在。慣れない海外暮らしで、外出の機会もなく孤立感をもって生活していた。

[方法]

ミュージック・ケアのセッションへ週に１回0歳の息子を連れてバスに乗り通う。セッション時間は75分。クラスの中で沢山の母子と出会うきっかけや、音楽を通して子どもへの自然な触れ合いの時間を作る。

[経過]

2010年1月
　日々の子どもの成長は嬉しくもあり可愛いくて愛おしい反面、なぜ泣いているのか、なぜぐずっているのかがわからず、ずっと抱っこをしなければいけない事や、子どもの世話に対して、自分の時間を奪われているような気持ちになりイライラしていた。
そして、そのイライラについても、「なぜ私はこんなにイライラしてしまうのだろう」「私は母親失格なのではないか」と思っていた。そんな時に同じマンションで友人が開催してくれた「こそだてジャンクション・らんぶーたん」にて日本から来てくださったミュージック・ケアの先生方によるセッションへ初参加をした。
そこで沢山の母子と出会うきっかけになり、音楽を通して子供への触れ合いが心地よくとても印象に残り、クラスへの参加を決めました。

クラスへ行く際は自分と子どもの外出の用意をして遅刻しないように行くということや、バスに乗って子連れで行くことに対して緊張をしていた。クラスに到着しても、場所や初めてのお母さんたちと赤ちゃんに緊張し落ち着かなかった。
子どもに対しても「泣かないかな」「ぐずらないかな」「なじめるかな」「レッスンの最後までいられるのかな」など思い、子どもも母の緊張を察知してか落ち着かずよく泣いていた。
またその泣くことに対し「周りに迷惑ではないのか」「うちの子ばかり泣いている」などと思っていた。クラスが始まり【クルックルッ】【ジャンジャン】などをのリズム遊びを通して、子どもの手をにぎり一緒にリズムを感じて動くことに心地よさを感じて気持ちが少し落ち着く。また、先生の私や子どもに対する温かい声かけや、子供をほめてくれたことで、少しづつ笑うことができてた。そして、最後のシャボン玉【典子は今】で感動し、今までの緊張が解放されて涙が流れた。

2010年４月

　ミュージック・ケアが次第に安心の場所となる。
【お腹をポンポン】と【元気に元気にゆっくりゆっくり】の2曲がお気に入りになり、初めて先生にリクエストすることができた。また、先生から「効果を焦らず、急がず、本人からのサインを待つ」の言葉が、子どもがセッションに集中していない時も無理強いをせず、子どもへの反応を待つことができるようになってきた。

2010年　6月

　特にイライラをぶつけていた上の子どもへの言動に対してキレて大きな声を出すことが少なくなり自己コントロールができるようになる。
また、母子での外出にも少しづつ慣れて、「元気に元気にゆっくりゆっくり」と心の中で唱える余裕がでてきた。
そして、家でも日本の童謡を子どもと歌うようになり、絵本を読む際も膝の上に座らせたり、【元気に元気にゆっくりゆっくり】のように足をもって揺らしたりとスキンシップが増えきた。
子どもの成長にもゆったりと目を向けらるようになり、子どもの反応に共感ができたり、子育てをしている自分が好きになってきた。

2011年　1月

　子どもが幼稚園へ通うようになる。
ミュージック・ケアの中にいる自分が安心し居心地が良かったのを思い出し、また、自身の経験を役立てたいと思うようになる。
そこで、シンガポール日本人会のボランティア団体に所属し、現地のホスピスでのミュージック・ケアクラスへ参加した。現地の方は中国語、英語、マレーシア語と多言語の方ばかりだったが、言語が通じなくてもミュージック・ケアを通して利用者ã
¨ç›®ãŒåˆã£ã¦ç¬‘いあったり、初対面でも、同じように手が叩けたことでおなじ事をしたもの同士という関係性を発見できた。
【子猫と知恵くらべのアリサ】では手の触れ合いの交流がができて嬉しかった。
毎回、ペットボトルにビーズが入ったマラカスを使った【オブラディオブラダ】は盛り上がり利用者との笑顔に自分がケアをされていることに気がつき、自らがもっと成長したいと感じた。
そして多くの人との出会いの中で成長したい、もっと深く学びたいと思ている自分を知ることができた。

[考察]

継続したミュージック・ケアがきっかけで、外出への不安がなくなり、子供に対してキレる自分を少しづつ自己コントロールできるようになっていった。併せて子供の情緒も安定してきた。
クラスでの「ダメとは言わない、無理やりさせない、したくなるまで待つ」という先生の言葉がけを毎回聞いていたことで、周りの子どもたちと比べるのではなく「待つ」という精神を学び子供の成長へも焦りがなくなってきた。
そして、インスタントサクセスによる成功体験が、達成感に結び付き、母親として自身がなかった私に少しづつ自信をつけてくれた。
また、我が子が活動に参加している様子を見て子どもの能力を再確認することができ、嬉しそうにする表情や褒められて喜ぶ反応を見て、養育態度を変容させることができた。
そして日本へ帰国後、ミュージック・ケアの初級研修、中級研修を受けた。現在は、母と乳幼児、デイサービス、高齢者サークル等でミュージック・ケアのメソッドを活用し、自身のヨガクラスと一緒に社会を広げることができている。

現在

小学生になった子どもたちはクラスの音響を担当したり研修に一緒に行って親子でミュージック・ケアの学びを受けている。

以上のことから継続的なミュージック・ケアへの参加は、自分の心身の安定だけではなく、子どもの安定と自分自身の意識と行動と人生を変えることができた場だと考える。

そしてこれからも自身のミュージック・ケアの技術を更に学び、世界の人々と【手をつなぎましょう】と笑顔で楽しむ時間を作りたいと思っている。

以上

ここまで読んでくださった方ありがとございました。

ミュージック・ケアの魅力に出会い、今の私がいます。
いつでもミュージック・ケアの楽しさを教えてくれたCHIKA先生に大大大感謝です。

ミュージック・ケアの学びはまだまだ続きます♪

がんばります！

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